先日、日商簿記2級のネット試験を受けてきました!
結果は87点で合格することができました。
私は11月に行われた第156回の統一試験も受験していますので、統一試験との違いやネット試験の勉強方法、試験対策や実際に受験してみた感想などについてもお伝えできればと思います^^
ただし、商工会議所からのアナウンスではネット試験の内容をSNSで公開することが禁止されていますので詳細はお伝えできませんが、できる範囲で紹介していきますね!
こんな方におすすめ
- 日商簿記のネット試験てどうなの?
- ネット試験の勉強法や対策はあるの?
- ネット試験の感想を知りたい!
この記事を読んでいただければ、ネット試験の理解を深めることができるかと思います。
Contents
日商簿記のネット試験の概要
これまで日商簿記については、年3回行われる統一試験(ペーパー方式)のみでしたが、2020年12月からネット試験(CBT方式)での受験も可能になりました。
※1級についてはネット試験の追加はありません。
ネット試験の詳細については以下をご確認ください。
日商簿記2級ネット試験の勉強方法
まず、私がネット試験を受けたのは1月上旬で、その前の11月に統一試験を受けています。
ですので、11月の統一試験対策として勉強した期間が4月~11月の約7.5か月間あります。
統一試験に合格してからは勉強をしない期間が1ヵ月あり、それからネット試験を受けると決めて勉強を再開しました。
一通り2級の勉強はしていましたが、やはり1ヵ月でも簿記から離れてしまうと忘れてしまいますね(泣)
問題を解く感覚が戻るのに少し時間がかかりました。
そして、勉強を再開してからネット試験までの期間は約10日間です。
それまでに仕上げなければなりません!
本当はもう少し時間が欲しかったけど、ちょうどよい日程の空きがなくて。
後にずれ込むより短期間の方がやる気も上がるだろうし勉強に集中できると思ったので、早い日程で予約を入れました。
ここからネット試験の勉強のスタートです!
①過去問題集
まず始めに、過去問から手を付けました。
過去問と言ってもネット試験の過去問は無いので、統一試験用に購入した「合格するための過去問題集 日商簿記2級」を使用しました。
いずれはネット試験対策用の問題集が発行されるかもしれませんが、待ってるわけにもいかないので今できることをやるのみです。
過去問は、第145回~第154回の10回分を解きました。
ちなみに統一試験の時の勉強と合わせると、この過去問を解くのは3周目です。
参考までに、3周目をやってみての点数はこんな感じでした。
145回 | 86点 |
146回 | 84点 |
147回 | 94点 |
148回 | 89点 |
149回 | 94点 |
150回 | 88点 |
151回 | 84点 |
152回 | 91点 |
153回 | 82点 |
154回 | 96点 |
1周目~2周目の結果と比べると、以前正解したのに今回間違えている問題や、その逆もありましたが全体的には点数は上がっていました。
努力が結果に現れると嬉しいですね^^
この時、1回ごとに苦手だなと思う問題を付箋でチェックし、一通り過去問が終わったところでテキストに戻って復習をしました。
また、こちらの問題集には過去問だけでなく各大問対策の問題が掲載されているので、第一問対策を見ながら苦手な単元のみ問題を解きました。
時間の関係で第1問のみでしたが、余裕があったら全ての大問対策はやっておきたいところです。
②工業簿記問題集
統一試験では「工業簿記を制する者が日商簿記2級を制する」と言われていますので、工業簿記で90点~満点を取れるように勉強していましたが、ネット試験でも同様に工業簿記で高得点を狙うつもりで重点的に勉強しました。
私が使用したテキストは『簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 工業簿記 総仕上げ問題集』です。
こちらの問題集を1周してから、間違えた箇所や苦手な単元(付箋でしるしをつけておいたところ)を再度復習します。
③ネット試験模擬問題
ネット試験の模擬問題については、以下のページにて紹介されています。
すべてやりたいところでしたが、時間が無かったため以下2社の模擬問題と
- 資格の大原
- TAC株式会社
- パブロフ簿記
の模擬問題を解きました。
最初の2社については、PDF形式で問題・解答用紙・模範解答のダウンロードが可能です。
私は自宅に印刷機が無かったので、PDFを印刷せずにパソコンの画面上で問題をみて下書き用紙に答えを書き、それを模範解答と確認する、という方法でやりました。
コンビニに行って印刷すればいいじゃん!って話しなのですが・・・
コピー代の節約と、コンビニに行く手間(子供を連れて行かなければならないので少し大変で)も考えて、上記の方法にしました(笑)
ただしこちらには解説がないので、間違った問題を解決するのに時間がかかってしまいました。
”パブロフ簿記”の模擬問題については、実際にパソコンを使ってネット上で問題を解くことが出来るので、ネット試験の雰囲気を体験することが出来ておすすめです^^
※こちらの模擬問題は”パブロフ簿記”の書籍の購入特典となっているようですので、問題を解きたい場合は書籍の購入が必要です。
全ての解答が終わり試験終了をすると、点数と間違えた箇所・解説が表示されます。
これは有難い機能ですね!
④商業簿記テキスト
私の場合は商業簿記の方が苦手だったので、商業簿記のテキスト『スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記』にて、最終確認をしました。
最初のページから読み進んでいき、大丈夫だなと思う単元は飛ばして、苦手な単元の確認→テキスト内の基本問題を解くという流れで最後まで読み進めていきました。
- リース取引の利子込みと利子抜きの処理
- 消費税の税込法と税抜法の処理
- P/L、B/Sの科目分類
- 税効果会計の差異が解消した時の仕訳
- 連結会計の子会社の配当、貸倒引当金、手形割引、未実現利益の仕訳
この辺りを中心に最後のチェックです。
日商簿記2級ネット試験対策
統一試験と出題範囲は変わりませんので、インプットについては統一試験と同じテキストを使用すれば良いかと思います。
アウトプットについては統一試験とネット試験で出題形式が多少違いますので、上記でも説明した、各社のネット試験模擬問題はやっておいた方が良いです。
少しでもネットの問題に目に触れておけば、当日焦らなくて済みますので^^
他には、筆記用具についてですが、統一試験では鉛筆またはシャープペンで解答を記入しますが、ネット試験ではボールペン1本を渡され、それで計算用紙に記入していきます。
ですので、勉強する際はボールペンでの記入に慣れておくのもいいかもしれません。
ネット試験の流れ
いよいよ試験当日です!
①受付をする
予約をしたパソコンセンターに到着すると、身分証明書の提出・確認をしてから注意事項の書いた用紙を渡され、内容確認後に署名をしました。
持ち込んでOKなものは、
- 先ほどの注意事項の書かれた用紙
- 白紙の計算用紙2枚(会場で用意)
- ボールペン(会場で用意)
- パソコン番号の書かれた札
- 身分証明書(パソコンの上に置いておくよう指示がありました)
- 持参した電卓
携帯電話は必ず電源を切ってロッカーにしまう様、指示がありました。
腕時計も持ち込むことはできません。
電卓と身分証明書以外はロッカーにしまい、準備ができたら待合室で待ちます。
開始時間の10分前になったら試験の説明があり、いよいよパソコンのある部屋に移動します。
②試験開始
部屋には10台ほどのパソコンが並んでいて、2人ほど受験している方がいました。
隣の机との間には仕切りがあり見えなくなっていますが、距離は結構近いなという印象です。
音が気になるようならイヤホンカフを使ってもいいそうですが、私は使用しませんでした。
札に書かれた番号のパソコンに座り、机上に置かれた操作方法の用紙を見てパソコンを操作します。
受付で渡された注意事項の書かれた用紙にログインIDとパスワードが記載されているので、それをパソコンに入力してから画面に表示されている注意事項を読んで[試験開始]ボタンを押します。
試験時間は90分ですが、早く解き終わったら、90分よりも早く試験を終了することができます。
試験が終わったら、[プリントする]ボタンを押してから[試験終了]ボタンを押して退出します。
先に試験終了ボタンを押してしまうと、再度ログインしてプリントすることが出来ないので注意が必要です
③受付で試験結果のプリントを貰う
ロッカーに行く前に、受付でプリントされた試験結果の用紙を貰います。
この時、ボールペンや計算用紙などは全て受付に返却します。
ロッカーで荷物を取り、会場から出て終了です!
ネット試験のメリット・デメリットとネット試験を受けてみた感想
では、実際にネット試験を受けてみた感想も交えながら、
統一試験と比較した時のメリットやデメリットを紹介していきます^^
ネット試験のメリット
- 試験日の調整ができる
- 何度でも受験できる
- 計算用紙が2枚もらえる
- 統一試験よりも比較的易しい問題が多い
- 合否がすぐにわかる
では、それぞれ詳しく説明していきますね。
試験日の調整ができる
自分の勉強の進捗状況によって試験日を決められるのは嬉しいですね。
いったん予約をしておいて、試験日が近づいてきて「あぁ、もうちょっと時間が欲しいな・・」と思った時も、日程を後にずらすことが可能です。
逆に、1ヵ月先を予約していたけど思ったより勉強が進んだから、もう少し早く受けたいな、と思った時も日程を早めることが可能。
日時変更は試験日の3日前までなので注意が必要です
何度でも受験できる
統一試験だと2級の場合は1年に3回なので、不合格だった時に次回まで3か月~5か月開いてしまいます。
そうなると、モチベーションが下がってしまう可能性もあり、諦めてしまう方もいるのではないでしょうか。
ネット試験なら、不合格だったとしても何回でも年中いつでも受けられるので、「次こそは!」というモチベーションの維持にもつながります。
計算用紙が2枚もらえる
最初に白紙の計算用紙が2枚もらえますが、それでも足りなくなったら追加でもらえるようでした!
追加で欲しい場合は、机の上の呼び出しボタンを押せば会場のスタッフが来てくれます
統一試験だと計算用紙は1枚しかもらえません。
私が156回の試験を受けた時は問題のボリュームが多かったので、計算用紙1枚では足りず問題用紙の裏も使っていました。
それに、「計算用紙足りないかも」と思っていると、自然と計算用紙への記入も小さい文字になってしまい、見づらかったりミスに繋がる可能性もあります。
計算用紙が何枚でももらえるなら、文字の大きさも気にせず思いっきりスペースを使用することができます!
統一試験よりも比較的易しい問題が多い
- 大問1:商業簿記
- 大問4:工業簿記
- 大問5:工業簿記
上記の3問については、統一試験と難易度は変わらないかなという印象です。
ただ、工業簿記については今まで見たことのない形式の問題が出たので少し焦ってしまいました。
- 大問2:商業簿記
- 大問3:商業簿記
上記の2問については、統一試験よりも易しい問題だったな、という印象です。
この2問については統一試験では難易度が高めの問題が出題されることが多く、それにより合格率も大きく変わってきたりするので、比較的易しめな問題が出題されるというのは大きなメリットかなと思います。
ただし、問題は受験者によって異なるので、難易度の高い問題が出題される可能性もあります。
合否がすぐにわかる
統一試験では合否発表まで2週間ほどかかりますので、合否発表までの期間はソワソワしたり、その時間をどう使うか悩んだりしますよね。
ネット試験では、[試験終了]ボタンを押せば、その場で合否が発表されますので、モヤモヤする時間がないのは嬉しいですね!
ネット試験のデメリット
- パソコンの入力に慣れていないと時間がかかる
- 入力間違いをしやすい
パソコンの入力に慣れていないと時間がかかる
解答は全てキーボードを使用して入力しますので、普段パソコンを使う機会がない場合は、入力自体に手間取ってしまいタイムロスに繋がってします可能性があります。
また、普段使い慣れていないキーボードやマウスを使うので、最初は慣れるまで戸惑うかもしれません。
私の時は、試験で使用したマウスのサイズがかなり大きく(自宅で使っているマウスが小さいため)、「デカッ!」と思ったのが最初の感想です(笑)
入力間違いをしやすい
統一試験では問題用紙に直接書き込みが出来ましたが、ネット試験では画面に表示される問題をみて直接パソコンに入力しなければなりません。
例えばP/LやB/Sの科目欄に金額を入力する場合、画面上に表示された残高を電卓に打ち、それに計算用紙で下書きした数字をプラスするという流れになります。
画面を見る→電卓を打つ→下書きを見る→電卓を打つ、を繰り返すので、視線の移動が多く、数字の見間違いや入力ミスに繋がる可能性があると感じました。
また、数字の入力をする際にカンマは入れずに数字だけを入力しますが、数字を入力すると自動的にカンマが入る場合と、入力してもカンマが入らない場合がありました。
これはいずれ修正されるかもしれませんが・・・。
カンマが入らない場合、桁間違いしていないかすごく不安になりました。
入力する際には、間違いがないように慎重に入力する必要があります。
まとめ
ネット試験と統一試験でそれぞれメリット・デメリットがありますが、私はネット試験をおすすめしたいです。
難易度については今後調整されるかもしれませんが、合格できなくてもネット試験は何度でも受けられますので、次までのモチベーションを維持しやすいです。
受験者によって出題される問題も違いますので、今回は苦手分野が多く出題されて合格できなくても、次回は得意分野が多く出題される可能性だってあります!
受験していればいつかは合格できますので(もちろん勉強は必要ですよ!)、日商簿記合格目指して頑張りましょう^^