日商簿記2級に見事合格し、さぁ次は1級だ!と思われる方も多いかと思います。
そんな疑問にお答えしていきます!
Contents
日商簿記1級の難易度
まずは、1級の合格率から見ていきます。
だいたい、9%~10%の合格率となっています。
2級の合格率も平均して25%前後と決して高くはないですが、その2級合格者の中からさらに10人中9人は不合格となってしまうので、1級はかなり厳しい試験だということが分かりますね。
また、合格基準については、70%以上というのは2級と変わりませんが、1級はそれに加えて『1科目ごと40%以上』という条件もありますので、不得意科目をつくることができない、ことも難易度を上げている要因です。
日商簿記1級の独学は可能か?
私は途中で止めてしまったので独学で合格はしていませんが、Twitterなどを見ると、独学で挑戦して合格している人がいることがわかります。
ただ、独学で勉強するよりも、通信講座などと併用して勉強している人の方が多い印象です。
独学で挫折しやすいポイント
- テキストだけで理解するのは限界がある
- 範囲が広く覚える単語が多い
- モチベーションが維持しにくい
テキストだけで理解するのは限界がある
1級では2級の内容を理解していることを前提としてテキストが作られているので、2級の内容を完璧にしたうえで取り掛からないと、テキストを読んでいてもすぐにつまづいてしまい、なかなか先に進めなくなります。
また、実際にテキスト中の問題を見て、わからない箇所や間違った箇所の解説を見ても、「え?これだけ?解説が足りないっ!」と感じてしまうことがあります。
そして、その間違いを十分理解しないまま進んで行くので、モヤモヤだけが残ってしまいます。
通信講座や通学であれば、講義(動画)を見て詳しく説明してくれますが、独学ではテキスト頼りになりますので、自力で解決しなければならないのが厳しいところ。
私は、1級は2級とは段違いで難しいとは聞いていたものの、どこかで「なんとかなるだろう」という気持ちがありました。
でも、実際にやってみて、それは甘い考えだった・・・ということに気づきました^^;
範囲が広く覚える単語が多い
まずは、試験範囲の違いについて2級と比較してみます。
1級 | 2級 | |
試験科目 | 商業簿記 | 商業簿記 |
会計学 | ||
工業簿記 | 工業簿記 | |
原価計算 |
1級になると、会計学・原価計算も追加され、範囲が広くなります。
範囲が広くなることで、必要なテキストの冊数もいっきに増えます。
2級のテキストはだいたいが商業簿記で1冊・工業簿記で1冊の合計2冊だったと思いますが、1級になるとテキストだけで4冊~6冊になり、問題集を合わせると8冊~12冊に増えてしまいます。
想像しただけで圧倒されそうですよね^^;
聞きなれない単語や難しい単語も次から次へとでてきますので、勉強を始めてみたもののボリュームの多さにやる気が失せて諦めてしまう、というパターンに陥る可能性は十分にあります。
モチベーションが維持しにくい
私自身、1級の勉強をしてみて
関連
- 2級でも難しいと感じたのに、何倍も難しい1級に合格できるんだろうか?
- 育児と家事(育休が終わったら仕事も)と両立しながら勉強できる?
- 1級を取る意味ってある?他にできることがあるのでは?
こんなことを悶々と考えるようになり、次第にモチベーションが下がっていきました。
そんなことやる前からわかってたことでは?と言われるかもしれませんね^^;
一応、私自身色々考えて1級を勉強すると決めたんですが、それでも実際にやってみると気持ちがグラグラと動き出してしまったんですよね。
それから挫折してしまうまですぐでした。
私が挫折してしまった要因は、1級を取りたい明確な理由が無いというのが一番大きかったと思います。
例えば
- 簿記1級を取って税理士の試験に挑戦したい
- 会社で1級を取得するよう言われた
- 1級を取ると資格手当が出るから
このような理由があったら、もっと勉強を頑張れたかもしれません。
でも私の1級を取りたい理由は「就活には2級で十分みたいだけど、1級も取れたらいいな~」ぐらいの気持ちだったんです。
そんな生半可な気持ちで続けられるほど、1級は楽ではありませんでした。
今回は挫折していまいましたが、1級を取りたいと思える強い気持ちが芽生えたら、また1級にチャレンジするかもしれません!
独学が向いている人
私が1級に挫折した経験から、独学に向いている人はこんな人だと思っています。
- どうしてもお金をかけたくない人
- 自分で調べるのが苦ではない人
- 1級に合格したい明確な理由がある人
1級では難しい論点も沢山でてきますので、理解を深めるにはかなりの勉強時間が必要ですし、途中で行き詰ってしまうこともでてくるかもしれません。
簿記を勉強することが、「つらい」と思うか「楽しい」と思えるかで、勉強を続けられるかどうかも大きく変わってくるかと思います。
勉強がつらいと思っていたら、どうしても止めたくなってしまいますから。
簿記の勉強を楽しんでできる人も、独学に向いてると思います。
独学する際のアドバイス
テキストは使い慣れたシリーズにする
2級、3級で使っていたテキストがあると思いますが、1級も同じシリーズのテキストにすることをおすすめします!
私は、2級・3級では『スッキリわかるシリーズ』を使用して合格することができました。
このテキストにはかなりお世話になったのですが、1つデメリットをあげるとすれば、内容が易しすぎるため本試験の問題とのギャップが激しいということです。
それが気になっていたので、1級では別のテキストにしたんです。
その結果、
- イラストが少ないため内容がイメージしづらい
- 内容が難しく頭に入ってこない
- 解説が不十分と感じる
- 問題文や解説などの表現が違うため混乱する
このような状況になり、モチベーションが下がってしまいました。
易しすぎるからという理由で難しいテキストに変えたのに、難しくてやる気をなくしては全く意味がないですよね(苦笑)
そして、『スッキリわかるシリーズ』にしなかったことを後悔しました。
他のテキストを使用して分かりましたが、スッキリわかるシリーズはイラストも多く親しみやすく、モチベーションも低下しにくかったなと。
内容が易しいのなら、最初に『スッキリわかるシリーズ』で勉強して、足りないなと思ったら問題集を買い足すなりすれば良かったと思いましたね。
ですから、1級のテキストは使い慣れたもの(シリーズ)にすることをおすすめします。
一緒に勉強する仲間を見つける
上でもかきましたが、独学はモチベーションを維持するのが大変です。
ですから、悩みを共有したり、お互い励まし合える仲間がいると心強いです。
ただ、1級は受験者数も少ないため、周りで簿記1級仲間を見つけるのは大変だと思いますので、Twitterなどで仲間を見つけることをおすすめします!
まとめ
いかがでしたか?
1級の独学をする場合は、合格したいという強い気持ちと、相当な覚悟が必要です。
もし独学をしてみて難しいなーと感じたら、通学や通信講座を検討してみてもいいかもしれません^^